自分史-19-

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<漱石とその時代>
文豪と呼ばれる夏目漱石を研究する、といったら文学研究する若者にとって、1960年代後半の当時においてはまっとうな研究課題であったように思えます。小宮豊隆とか、漱石研究者がおられたようですが、ぼくが触れたのは江藤淳さんの評論というか研究です。ゼミで専攻した作家は森鴎外でしたし、卒論にあたるレポートは私小説論でしたから、漱石は、傍らで読んだ程度です。でも、日本近代文学で、漱石という特別な位置にいる漱石を垣間見たことは、よかったと現在においても思うところでした。

大学教授で教鞭をとる漱石にたいして軍医である森鴎外。ぼくは、この二人の作家の素性を知ることになって、その対比で、ぼくは漱石に軍配をあげました。職を捨てて文学の道に入る漱石、軍医のままで生涯をおえる鴎外、この差について、ぼくが公務員を辞して写真の道に踏み出すとき、漱石の生きざまが、そばにあったのです。漱石の文学の「則天去私」とか、近代文学の枠組みとか、文学とは、等々の基本的な枠組みは、漱石さんからいただいたと思うところです。
(続く)

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